WORKS
作品紹介

既存保育園の老朽化により、旧園舎を利用し ながら、同敷地内に、南側の一段上がった 園庭での建替えを行った。そこにはシンボル ツリーである巨木クスノキがあり、長い間この園を見守ってきた。このクスノキを残すため、一部2階建ての園舎となった。
北側の園庭となるため、南西側の園舎を平 屋にするなど建物形状を工夫し、園舎やバル コニー、園庭に一日を通して、できるだけ太 陽光がふり注ぐ建物形状を考えた。
各室の構成は、アプローチから屋根付きの 階段を上り、1階のエントランスゾーンに入 る。半円状の玄関ホールからは職員室や階 段、廊下やランチルームや多目的ホールなどが見渡せる中央広場のような役割となる。ランチルームと多目的ホールは一体利用できるように可動間仕切りを設け、厨房はランチ ルームと隣接させ、こどもの目線が合うように一部床を下げている。平屋部分には乳児 専用庭の前に半屋外の縁側を設け、0 ～2歳 児保育室がつながるように計画した。2階で は、階段を上ったところにフリースペースを 設け、その向こうには奥行きのあるバルコ ニー、さらに向こうには、クスノキが鎮座して夕陽をやわらげてくれる。催事もできるフ リースペースからは3 ～5歳児保育室につながる。2階の保育室は天井高を上げ、可動 間仕切りを設けるなど開放性に配慮した。
園庭は、奥の園舎脇の上段を乳児用とし、下段の旧園舎があった正門からアプローチ沿いの広いスペースを幼児用として、芝生や樹木、自然素材を用いた遊び場などで構成されている。